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きもののお手入れ
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昔と違って暇と時間が少なくなりました現代...きものは手がかかります。
手がかかるからこそ愛おしいところもございます。
手をかけただけ美しい装いになるかもしれません。
きものの普段のお手入れは、長期保存のステップでもあり...とても大切です。
手入れのコツと手順を覚えてしまえば誰にでもできることです。
是非、きものへの愛着をもって始めてください。
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きものの手入れ法

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外出から帰宅して帯びを解くとき、その日きものを着ていて良かったなぁとふと感じることがございます。
是非、その気持ちを保ち味わいながら後片づけをおこなってください。
美しいきもの姿は日頃のお手入れが大切です。

  1. 外出から帰ったらきものを脱ぐ前にまず手を洗います。
  2. 最初に足袋を脱ぎ、帯締めを外し、帯を解き、きものや長襦袢、下着を脱いだらきものの衿を広げて干します。
  3. 別のハンガーで長襦袢を干します。
  4. 帯は体温が残っているあいだに手でシワを伸ばしながらたたみますが、体温の温もりと湿気をとるためにお太鼓側が内側になるように二つに折って干します。
    そうすることで、帯を締めた内側に風が通ります。
  5. 紐や伊達締め、帯板、帯枕、帯あげなども体温や湿りをとります。

お手入れ *ポイントは(汗)
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干すときは風通しのよい日陰に干して、充分に体温や湿気をとります。
干したきもののほこりをブラシでとり、ハンガーから外してシミや汚れがついていないかを確かめます。
特に襟、袖口、裾は入念にチェックします。
そしてシミや汚れがあれば染み抜きに出しましょう。(早く出せばシミや汚れはほとんどとれます。)

干してもとれない着付けシワの日立つものは、裏からあて布をしてアイロンをかけます。
あて布は色がつかないように白い布を使いましょう。
またアイロンをかけた場合は、熱をとるために三十分くらいは再び干してください。
しまう際には金糸や銀糸、刺繍の施してあるものは、その部分に白い紙などをあてると良いでしょう。

Click! →【汗抜きのビデオ】

汗の取り扱いはとても重要です。
汗には『エクリン腺』と『アポクリン腺』の2種類があって、ふだんかく汗はエクリン腺から出る無味無臭ですので『陰干し対応』でもよろしいのですが、もう一方のアポクリン腺から出る汗は脂質やタンパク質などが含まれていて厄介です。
このことを確かめるために、是非スプレー(霧吹き)などを使って、汗をかいたと思われる箇所に水をスプレーしてみてください。怖がらずに!(着物の裏地の胴裏などの脇や腰部分。)
もしも輪じみなどが出ましたら、脂質やタンパク質などが含まれている証しですので、その場合は『汗抜き処理』をプロにお任せください。

ここが違う! 一般のクリーニング屋さんは、着物クリーニング、京洗い、着物の丸洗いとかと称してクリーニングを行なっておりますが、全て機械で油(専用溶剤)で洗うドライクリーニングになります。
綿ものや化繊のものならドライクリーニングでも汚れや汗もよく落ちて良いのですが、着物は正絹(シルク)です。
正絹の着物を洗う場合、ドライクリーニング処理では『水と油』の性質上綺麗にならない場合があり、ドライクリーニング後の出来上がりはプレスされて見た目は綺麗になっているのですが、厄介な汗など根本的なことは解消されていないことになります。
結果、これらの着物を長期保存すると、ほとんど胴裏地などに変色をきたします。

呉服屋さんでの着物のお手入れは、お店によって呼び名もいろいろですが、お手入れは一貫しています。
クリーニング屋さんのようにドライクリーニングも着物の種類によっては行いますが、ほとんどは手作業で丸洗いから汗抜き、しみ抜き、汚れ落しをさせていただきます。
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シミ・汚れ落とし写真 ご自身でトライ!
平らなところにタオルを敷き、織り目の粗いガーゼや白い布にたっぷりベンジンを含ませ、汚れの回りを充分湿らせてから汚れ部分をたたきます。(汚れを生地の下のタオルまで落とし込む感じ。)
山羊の毛のブラシ写真 このブラシはきもの専用に開発された山羊の毛 100 % ブラシ。
きものへの密着度が抜群でほこりがよくとれる。
麻製の汚れ落としブラシ写真 半衿の汚れ落とし専用ブラシ。
麻製の硬めです。

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虫干し
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きものの風合いを保つために、虫干しをします。
梅雨明けの七月から八月に梅雨の湿気をとり払い、十月から十一月のからりと晴れた日に虫干しをします。
空気が乾燥している一月から二月に寒中干しをしますが、一般に天候の落ち着く秋に虫干しすることをお薦めします。
忙しくてきものを干すことができない場合は、天候の良い日にタンスを開けて、空気を通すようにします。
あまりきものを着ない人は、寒中干しをするだけでもきものが生き返ります。

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タンスにしまう場合は、乾燥剤は入れておきます。
防虫剤はタンスの中でガス化しますので、数種類のものを入れると化学反応をおこして、生地の変色やシミの原因になりますので、必ず一種類にします。
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きものハンガー 掛けシワがつきにくいきものハンガー。
きもの類のハンガーへのつるし写真 きものと長襦袢は衿を広げてきものハンガーに干します。
帯は紳士服などのハンガーを利用して干します。

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帯と長襦袢
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帯は、干した後、目立つシワは、裏からあて布をしてアイロンをかけます。
表だたみにしますが、お太故の柄の部分が折り目になる場合は、その部分が折れないようにずらしてたたみます。
長襦袢も干した後に、タンスにしまう場合は、半衿はとって洗います。
半衿の汚れが日立たない場合は、一度くらいはベンジンで汚れをとります。
長襦袢は、汗やほこりがついていますので、季節が変るときは丸洗いに出します。
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帯あげ・帯締め
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帯あげはきちんと四つ折りにしてたたみますが、シワになった帯あげは、二つ折の後はシワを伸ばしながら巻きます。
帯締めは、房の部分にやかんで蒸気をあててきれいになじませます。
房の先が不揃いになったら先をはさみで切り揃えます。
和紙または半紙で房を巻いてテープで止めておきますが、紐に近い部分で巻いて房の方に紙をずらすとしっかり巻けます。
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帯あげの処理写真 シワのついた帯あげは二つ折りにした後、両手でシワを伸ばしながら巻きます。
布や紙を芯にして巻くとよりシワがとれます。
帯締めの処理写真 広がった房は湯気で湿らせ房幅の白い和紙や半紙でかたくしっかり巻いておきます。

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足袋・ぞうり

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足袋は汚れのつきやすいつま先やかかと、底、底回りと甲前の縫い目などは、洗剤を歯ブラシにつけて円をかくようにして洗います。全体の汚れは、もみ洗いします。
絞って、タオルなどでしっかり水分をとり、つま先とかかとを持って伸ばし全体をたたいてシワを伸ばします。干すときは、コハゼの反対側を洗濯ばさみで留めます。
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キヤラコでできている足袋は熱で黄色く変色するのでアイロンはかけません。
履いたときの体温でシワが伸びます。そのためにも足にあった足袋を購入することが大切です。
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ぞうりは帰ってきたら、底の湿気をとるためにぞうりを横にするか、新聞紙や紙の上におきます。
エナメルぞうりは、柔らかい布で水拭きをします。
油性の汚れはエナメルクリーナーで拭き取りますが、残っていると変色するので充分に拭き取ってください。クリーナーは、履き物店などで購入できますが、靴用でも大丈夫。
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佐賀錦などの織物や布のぞうりは、洋服ブラシなどでほこりをとります。
金糸、銀糸が入ったぞうりの箱には、ナフタリンや樟脳は入れないようにします。
銀糸などに含まれる成分が化学反応して黒く変色します。ぞうりも湿気が大敵。
革は日にあたると縮みますので風通しの良い日陰に保管します。
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足袋は手洗いが一番写真 足袋は手洗いが一番。
裏やつま先、かかと以外にも縫い目は汚れがたまりやすいので歯ブラシなどでこすります。
エナメル草履の応急処置写真 エナメルぞうりの応急処置は、水を含ませたティッシュペーパーで水拭きします。
洗濯石鹸粉などをかるくつけるとさらにきれいに汚れが落ちます。

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シミの応急処置
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衿元にしょうゆなどのシミがついた場合の応急処置は、シミの下にあて布をして、シミの周辺を水で湿らします。
水を含ませた綿棒などで軽くたたき、汚れを下に落とします。
布を傷めるので決してこすらないようにします。
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シミ取りペン写真 シミとりペンなども便利です。水性・油性の汚れ用がそれぞれあります。
応急処置写真 応急処置用として脱脂綿・綿棒・衣料用中性洗剤などを用意しているとシミがついたとき便利です。
巾着袋写真 ちょっとした小袋に入れておくときもの通のたしなみにもなります。
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