きものや帯の絵柄の選択には現在でも、絢爛豪華な室町、桃山時代をはじめ江戸時代に残された数々の作品から、絵柄、構図などが引用されています。
何もきものばかりではございません。 経・家集・鏡・壷・絵巻・手箱・扇・屏風 など、当時の文化の象徴ばかりです。
一時、きものの業界でも「辻が花」を絵柄としたきものと帯が流行いたしましたが、はるか昔の桃山時代には、けっこう用いられたという絵柄です。
聞き慣れた人にて例えますと、徳川家康が桃山時代に着用した胴服 [ 檜と草花模様辻が花胴服 (重文) ] は、辻が花の屈指の一領として有名です。
「琳派」とは、書物の引用をせずに簡単に一言で説明させていただきますと、いわゆる桃山時代の本阿弥光悦・俵屋宗達から、江戸時代の酒井抱一・鈴木其一に至る一連の芸術家の系譜を称した名です。
琳派には、やはり特徴があり、その作風、絵柄、構図、色づかいに顕著に表れます。
上絵のように、扇面の中に秋草を描く。よく見慣れた絵の構図のようですが、これも一つの琳派の特徴です。
上絵は、江戸時代中期の尾形光琳の作品であり、最も琳派を受け継ぎ発展させた人物といわれております。
そして、現在に至りますまで、たくさんの作歌たちの手により、新しい琳派が開拓されてきております。
やまざきでは、これらの現代琳派の作品の数々を主に、好んで、染と織を構成させていただいております。 |